やさしく理解しやすいキリスト教入門書。キリストのおもいにゆるされる喜びを実感し、隣人を大切にする信仰を育むために。
阿部仲麻呂(あべ・なかまろ)
1968年、東京都生まれ。上智大学文学部哲学科卒。同神学部神学科卒。1997年司祭叙階(サレジオ会)。教皇庁立グレゴリアン大学院神学部基礎神学専攻科修士課程修了。上智大学大学院博士後期課程にて組織神学専攻。現在、日本カトリック神学会評議員。福岡サン・スルピス大神学院、東京カトリック神学院などの非常勤講師。専攻:基礎神学・解釈学・美学。〔著書〕『信仰の美學』(春風社、2005)。〔共著〕『新カトリック大事典』V巻(研究社、2002)、『時の流れを超えて――J・H・ニューマンに学ぶ』(教友社、2006)ほか。〔最新刊刊行当時〕
イエス・キリストの「おもい」にゆるされて喜びを実感する、新たなキリスト教信仰の入門書。母胎のように私たちを育む神さまのいつくしみを、12のキーワードでやさしく読み解きます。
はじめに
一 おもい
●すべてのはじまり ●神さまのおもい ●つながりつづけるおもい ●食卓を囲むひととき ●イエスと私たち
二 つながり
●信仰生活の三つのタイプ ●徹する姿勢 ●傾き ●派閥争い? ●橋渡し
三 たべること
●どうしても変われないエゴイストたち ●ゆっくりと真実を見つめて生きる――スローライフ ●食事――おもい・つながり・感謝 ●いつくしみ深い言葉とわざ ●「信仰のイエス・キリスト」「史的イエス」「史的キリスト」 ●「聖骸布」が物語ること
四 いのち
●風と息――いのちのつながり ●神さまのいつくしみのはたらき――聖霊 ●ありえないところから神さまのいつくしみが…… ●聖書と生活、うずまくなかでの再発見 ●食物連鎖
五 あったかさ
●ほどよいぬくもり ●神さまのぬくもり ●いつでも会える ●おおらかに、すなおに、信頼して進もう! ●よろこばしい知らせ
六 うつくしさ
●あなたにとって美しさとは? ●それぞれのよさ ●いのちの舞台 ●人間の姿としての「恵まれたマリア」 ●「信仰の美学=日本の神学」 ●枯れることによる美しさ
七 やすらぎ
●回心へ歩み ●教会は建物ではない ●やすらぎ ●ゆるしと奉仕による新生
八 つつみこむこと
●つつみこむこと――「神さまの似姿」として ●ありのままに ●新しく生まれなおすこと ●せまさ ●対 話 ●相手の立場に立って ●救い
九 さがしもとめること
●あなたは宝もの ●神さまの特徴 ●友となること ●細やかな配慮 ●神さまのいつくしみと裁き――「神さまの似姿」としての人間性を生きる女性と男性
十 さけび
●神さまと人間との愛のコミュニケーション――『啓示憲章』四十周年に ●神さまの愛情のはたらきの深まり ●「霊的解釈」の大切さ ●愛情が憎しみに反転するとき――矛盾をかかえこむ私の心 ●「さけび」としての十字架、罪、祈り、死 ●今の私たちにとっての「徳」の可能性
十一 よろこび
●神さまとの親しさとしての「聖性」 ●よろこびに満たされて生きること ●神さまとの疎遠な状態――悪と原罪と罪 ●天使の役割 ●聖霊のよろこびに満たされて生きること――ジョン・ヘンリー・ニューマン ●おだやかでほがらかな慈愛――フランソワ・ド・サール、ジョバンニ・ボスコ ●日常生活の味わい――菩薩道・却来花・喫茶・高悟帰俗のさりげなさ
十二 ふるさと
●「いのちの回復」としての終末の食事に向けて生きる ●神さまのいつくしみの満ちるところ ●「復活」の六つの意味 ●神さまに感謝する教会共同体
おわりに――「つつみこまれること」、母胎的なキリスト教信仰へ