バブル崩壊、リーマン・ショック、そして3・11の大震災。悲しみや苦しみの中で自分探しを超えて見つけることができるもの。それは“一つだけの花”から“ぶどうの樹”という生き方。遠藤周作が描くキリスト教の意味とは。
星野 正道(ほしの・まさみち)
1950年、東京・杉並区生まれ。国立音楽大学卒業。ピアノを専攻。聖アントニオ神学院卒業。哲学・神学を修める。1993年、カトリック司祭に叙階される。現在、東京教区司祭・和歌山信愛大学教授。
著書に『いのちへの答え――傷つきながらも生きる』、『いのちに仕える「私のイエス」』(ともにオリエンス宗教研究所)がある。〔2020年7月現在〕
傷や悲しみによって心に刻まれるさまざまな痕跡を通して、神は私たちに語りかける。旧約聖書『ヨブ記』と遠藤周作『わたしが・棄てた・女』という文学作品を素材に、神、そして福音の意味をやさしく説き明かし、さまざまな困難に直面する現代人に寄り添う希望のメッセージ。キリスト教への道案内としても最適。
T この世界を照らす光
1 崩壊する個人と共同体
2 聖書における「光」と現代
3 夢から覚める
4 無明に射す光
5 神の痕跡である人間
U 『わたしが・棄てた・女』の福音
6 遠藤周作と福音
7 偶像の世界とイエスの福音
8 ミツにとっての福音
9 吉岡にとっての福音
おわりに――3・11痕跡としての東日本大震災
あとがき