日本カトリック司教団によって、日本語による聖歌の作曲を依頼された著者自身が、典礼聖歌の意味、曲の解説、意図や手法などを丁寧に書き綴る。
高田三郎(たかだ・さぶろう)
1913年12月18日 名古屋に生まれる
作曲家
東京音楽学校(現、東京芸術大学)作曲科卒
信時潔、クラウス・プリングスハイムに師事
国立音楽大学教授(1953〜79)
同大学名誉教授(1979〜)
日本現代音楽協会委員長(1963〜68、79〜84)
2000年10月22日 逝去
著書 『くいなは飛ばずに』(音楽之友社)
『来し方――回想の記』(音楽之友社)
『ひたすらないのち』(カワイ出版)
『典礼聖歌』(オリエンス宗教研究所)
著者にとって、日本カトリック司教団から新しい日本の典礼聖歌の作曲を委嘱されたことが、その後長きにわたった日本語との格闘の日々の発端でした。新しい日本語の典礼奉仕に相応しく、グレゴリオ聖歌を基調とし、日本らしい旋律を統合した典礼聖歌の創作過程が余すところなく語られています。典礼聖歌を歌い、深く味わうための必読書。
序
はじめに
典礼聖歌作曲への最初の一歩
私に課せられた仕事
第一章 聖歌の伝統と主の祈り
一、 典礼聖歌について
二、 グレゴリオ聖歌の伝統
三、 主の祈りの旋律
四、 横坂さんの修士論文、その他
第二章 ミサ賛歌
一、 そのことばと音楽について
二、 三つの賛歌のリズム
三、 基音構成と日本伝統音楽の旋法
四、 栄光の賛歌
五、 速緩法と強弱法
第三章 詩編の歌
一、 答唱詩編
二、 グレゴリオ聖歌と日本語の詩編唱
三、 日本語詩編の歌い方
四、 速さ、その他の演唱法
第四章 聖週間の典礼
一 はじめに
二、 受難の主日(枝の主日)
三、 聖木曜日
四、 聖金曜日
五、 復活徹夜祭
六、 復活の主日
第五章 典礼季節の詩編と賛歌
一、 待降節と降誕節の入祭の歌
二、 待降節の答唱詩編
三、 降誕節の答唱詩編
四、 四旬節の聖歌
五、 復活節の聖歌
第六章 年間の答唱詩編
一、 主の顕現をたたえて
二、 主の過越をおもう
第七章 アレルヤ唱と詠唱
一、 アレルヤ唱について
二、 待降節と降誕節のアレルヤ唱
三、 復活節のアレルヤ唱
四、 四旬節の詠唱
第八章 歌ミサの式次第
一、 対話句、そのリズムと旋法
二、 基本の速さと歌い方、回心の祈り
三、 集会祈願からことばの典礼へ
四、 信仰宣言、共同祈願
五、 感謝の典礼――叙唱前句
六、 記念唱、栄唱、主の祈り
七、 主の祈りの副文から閉祭まで
八、 自由リズムの聖歌の指揮法について
第九章 一般賛歌
一、 最初の三部作
二、 イエズスとイエス
三、 聖書の歌
四、 礼拝集会とキリスト者の生活
五、 説教をきいて作曲した四曲
六、 詞、曲とも自作のもの
七、 平和の祈り
第十章 教会の祈り
一、 歌い方と奉仕者
二、 詩編唱和
三、 賛美の賛歌
四、 福音の歌
五、 聖母賛歌
第十一章 私の作曲ノートから
一、 ソレムにおける二週間
二、 「やまとのささげうた」
三、 再び「やまとのささげうた」について
四、 あのころ
五、 荒川少年少女合唱隊、その他について
六、 『ことばとしるし』誌に書いた
「典礼聖歌解説を終えるにあたって」
七、 あるエキュメニカルな会合で
八、 グレゴリオ聖歌から私が得たもの
九、 力を合わせて来た道
『典礼聖歌』合本出版後に作曲された「新作楽譜」
あとがき
索引
典礼聖歌以外の宗教音楽作品