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コラム

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(森山信三 カトリック中央協議会事務局長・福岡教区司祭)
  「核家族」という言葉がさかんに使われ始めたのは一九六〇年代からだそうですが、私たちは高度経済成長とともに物質的な豊かさを追求し、それまで大切にしていた家族のあり方を半世紀ほどで大きく変えてしまいました。例えば三世代が同居している大家族は少なくなりました。また、ともに住む家族が共有する時間も減り、家族間のかかわりは年とともに希薄になっていきました。新型コロナウイルスは、そのような家族というもののあり方も再考するよう促しています。
 さて、フランシスコ教皇は、使徒的書簡『父の心で』を発表され、今年を「ヨセフ年」とすると宣言されました。また来年の六月までを「『愛のよろこび』家庭年」にするとし、さらに今年から七月第四日曜日を「祖父母と高齢者のための世界祈願日」とすると発表されました。
 これら一連の発表に対して、高見三明大司教は、「教皇様は、これから少なくとも一年余りの間、コロナ禍でつらい状況にあるわたしたちが、とくに家族のことを思い、大切にするようにしましょう、と呼びかけておられるのではないでしょうか」(「ヨセフ年」にあたってカトリック司教協議会会長談話)と述べています。
 新型コロナウイルスは、あらゆる面で教会を支えてきてくださった高齢者の方々から、教会での居場所を奪ってしまいました。かつて日本の三世代家族から、おじいちゃん、おばあちゃんが切り離されたように、感染すると重症化するリスクが高いゆえに、通常の典礼から高齢者が切り離されていくかに思えます。
 このような方々に加えて、教会は、隅に追いやられた人々、社会に居場所を見出せなくなる人々にどのようなアプローチができるのでしょうか。そのような時、ヨセフの姿を思い起こしましょう。「助けを必要とする人、貧しい人、苦しむ人、死に瀕する人、外国人、囚人、病者、その一人一人が、ヨセフが保護し続けている『御子』なのです」(教皇フランシスコ使徒的書簡『父の心で』)。
 ヨセフは神から委ねられた子を家族として受け入れ、愛をこめて育てました。血縁の家族はもちろん、そうでない人々も家族としてどのように引き受けていくか、ケアしていくかがこの年、問われていることだと思います。 
(『聖書と典礼』2021年7月25日より)

『聖書と典礼』年間第17主日(2021年7月25日)号表紙絵解説

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