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コラム一覧へ 世界をほんの一ミリよい場所に――世界こども助け合いの日

青木由紀子(聖心会会員)
 何かおいしいものを食べた時、嬉しいことがあった時、泣きたい時、わたしたちは、「おいしいね」、「よかったね」、「つらいね」と、自分の気持ちを一緒に分かち合ってくれる人がいてくれたらと思います。
 今日の「世界こども助け合いの日」にまず思い起こしたいのは、一人ひとりがどれほど他の人に支えられているかということです。それは、わたしたちもだれかの喜びや苦しみを共にするために、また、この世界をほんの一ミリでも良い場所に変えていくために、必ずできることがあるということでもあります。
 毎日のように、大切な家族や友人を失った人たち、空腹や寒さに苦しむ人たち、戦争や暴力の恐怖におびえる人たちのことを耳にし、心が痛みます。世界のどこであっても、その人たちが、よく口にされる言葉があります。それは、「わたしたちのことを忘れないで」ということです。この言葉を大事に心にとめて祈り、小さなぎせいをささげ、想いを行動にしてみましょう。「五つのパンと二匹の魚」(ヨハネ6・1‐15)、「やもめの献金」(ルカ21・1‐4)、「タラントのたとえ」(マタイ25・14‐30)……福音書の中には人間のほんの小さなささげものを、大きな実りに変えてくださる神さまのお話が出てきます。神さまは、一人ひとりの小さな善意を決してむだになさらず、ひろい集めて祝福し、百倍の恵みにして必要なところに届けてくださるはずです。
 もう一つ、子どもの皆さんにお願いがあります。これからぜひ、さまざまな国や文化を持つ人と友だちになっていってください。言葉や習慣、考えなど、違いを感じる時があるかもしれません。しかし人間は、違いより、共通していることの方がずっと大きいのです。何よりも、わたしたちは皆、神さまのもとから来て、また天のみ国に帰るまで、一緒に歩いていく旅の仲間です。そして、神さまに愛されている子どもとして、兄弟姉妹なのです。
 知らない人、遠くの人、どうでもいい人、そんなふうに思っていた人たちが大切な「友だち」になる、それはこの世界に一つ橋がかけられることなのです。

『聖書と典礼』年間第4主日 B年 (2024年1月28日) 表紙絵解説

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