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コラム一覧へ 聖霊の静かで美しい働き――世界宣教の日

アンドレア・レンボ(東京大司教区補佐司教)
 私はキリスト教文化が浸透しているイタリアに生まれましたが、聖霊の美しさを感じていませんでした。それに気づいたのは、日本に来てからです。私は、イエスの姿があまり知られていない日本において、日本人の心に聖霊がどのように語りかけ、イエスに出会わせてくれるのかに大変興味を持っています。
 実際に、日本人の心に聖霊は語りかけています。例えば、東日本大震災(二〇一一年三月十一日)、熊本地震(二〇一六年四月十四日から十六日)、能登半島沖地震(二〇二四年一月一日)の時に、多くの方が、特に若い方々がボランティアとして、震災被災者の救援に向かいました。彼らは家族や家を失い絶望の中にある方々のために働きながら、慰めと希望をもたらしました。ボランティアの方々の心を燃え立たせ、動かしたのは聖霊であると私は思っています。
 「われわれは、聖霊が神に知られている方法で、復活の神秘にあずかる可能性をすべての人々に提供することを信じなければならない」(『現代世界憲章』22)。第二バチカン公会議の『現代世界憲章』のこの一節は、神がご自分の使命をどのように果たそうとされているのかを示すものであると私は考えています。
 第一の形は、私たちも知っており、理解することができます。すなわち、神はすべての人を救うために独り子を私たちに遣わされました。その使命は、教会の福音宣教の活動を通して、聖霊によって今日に至るまで続けられています。教会は目に見える仕方で、典礼を執り行い、教義を確定し、慈悲を尽くし、宣教の使命を果たします。
 第二の形は、私たちには知られていません。それが、すべての人に手を差し伸べる聖霊の静かで美しい働きです。キリスト教徒になった私たちには、宣教師となることへの召命があり、聖霊の協力者になる使命もあります。聖霊がいつ、どこで、どんな場合に、誰を通して働いているのか、私たちには喜ばしい発見の可能性があります。
 聖霊の静かで美しい働きは心でしか見ることができません。しかし、その働きに少しでも触れることができたのなら、イエスを多くの人に伝える使命を果たすことができると信じています。(『聖書と典礼』2024年10月20日)
『聖書と典礼』年間第29主日 B年(2024年10月20日)表紙絵解説

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