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コラム

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(菊地 功 東京教区大司教)
 昨年十一月、三十八年ぶりの教皇訪日で興奮状態にあったことが、まるで遙か昔のことのように思われます。新型コロナウイルス感染症拡大で、公開ミサは中止され、教会活動は立ち往生しました。
 教皇訪日直後には、メディアも積極的に取り上げてくださり、これで教会を訪れる人も増加するだろうなどと、期待する声も聞かれました。しかし、今年の復活祭には洗礼式さえ実施できず、具体的に集まることのできない教会では、手も足も出ない危機感が漂いました。
 もっとも、そのおかげで、共同体のきずなを保つための努力も始まりました。教会は今、ミサや信心業、勉強会、ひいては教会学校まで、オンラインでつながる可能性を見いだしました。また、霊的聖体拝領、聖体礼拝、ロザリオなどという教会の伝統的な信心業があらためて注目されたり、教会共同体とは何かという信仰生活の根本を見つめ直したりする時間も与えられました。
 わたしたちの信仰は、共同体の信仰ですが、ともすれば、日曜日のミサに集まる共同体であったように思います。集まることで、共同体になったつもりでいたのです。しかし今回の事態が、肝心の集まることを不可能にしました。離ればなれのキリスト者が、一つのキリストの体をどうやって生み出すのかという課題を、わたしたちは突きつけられています。よくわかっていたようで、その実、よくわかっていなかったことが明らかになったのです。
 イエスが弟子たちに「それでは、あなたがたはわたしを何者だというのか」(マタイ16・15)と問いを突きつけたように、わたしたちも常識をひっくり返すような課題を突きつけられています。
 いまだからこそ、教皇フランシスコが日本に残していった数々の言葉に、耳を傾けましょう。教会のあるべき真の姿を、教皇は繰り返し語っていかれました。この危機の中で、突きつけられた問いかけへの答えを探し求めましょう。
(『聖書と典礼』2020年08月23日号より)

『聖書と典礼』年間第21主日2020年08月23日号表紙絵解説
菊地 功 著『「真の喜び」に出会った人々』

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