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コラム

コラム一覧へ 「同じ屋根の下」――キリスト教一致祈禱週間

小笠原 優(日本カトリック司教協議会エキュメニズム部門秘書・横浜教区司祭)
 第二バチカン公会議が打ち立てた大きな指針の一つに、分かたれた諸教会との一致への促しがあり、『エキュメニズムに関する教令』(一九六四年発布)をもってそれが明示されました。当初「エキュメニズム(教会一致)」という言葉は聞きなれないものでしたが、今日ではすっかり定着し、エキュメニカルと呼ばれるさまざまな活動が世界的な規模で展開しています。
 ところで「エキュメニズム、エキュメニカル」という言葉は古代教会で使われていたギリシャ語の「住まい」を意味する「オイコス」に由来します。同じ屋根の下にいるという「家/オイコス」の原体験は、「共に住んでいる土地、全世界」を表す「オイクメネー」という語を生み、当時の政治用語として「ローマ帝国」全体を指していました。その後「世界、全体、普遍のつながり」は「カトリック/普遍」「ユニバーサル/全体」「インターナショナル/国際」「グローバル/地球」などいろいろな言葉で表現され今に至っています。どれも、普遍的なつながりの実感と理想を求める人間の渇きのあらわれです。
 「エキュメニカル運動」がキリスト教世界で本格的になったのは、多くの教派を抱え緊張の強いプロテスタント世界のことで、二十世紀に入ってからです。教派が違っても同じキリストを信じているわれらという意識の高まりは、古代教会の「オイクメネー」という言葉を用いて互いを理解する運動となりました。まさに「同じ屋根の下にいるわれら」という信仰感覚です。そしてカトリック教会もこの流れに加わり、先に触れた第二バチカン公会議の指針となったのです。
 二十一世紀に入った今日、人類社会は新型コロナウイルスの脅威に晒さらされ、逆説的ですが「世界、全体、普遍のつながり」を実感しているところです。そうした中で「人類一致の秘跡」であるキリストの教会は、「エキュメニカル運動」をさらに展開し、現在の危機の中で人類の希望の要(かなめ)となることがいっそう求められているのです。
(『聖書と典礼』2021年1月24日より)

『聖書と典礼』年間第2主日 B年(2021年1月24日)号表紙絵解説

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