みなさんが、小さかった頃の記憶は、次のどちらですか? A「お菓子を、独り占めすることが多かった。」 B「お菓子を、大抵、お友達に分けてあげた。」 もちろん、親からのプレッシャーもあったに違いないのですが……。 きっと、神様のよい子であったみなさんの多くは、「お菓子を、大抵、お友達に分けてあげた」のではと想像しますが、ほんとうはどうでしたか? 私は、「お菓子を、独り占めすることが多かった」も、子どもらしくていいと思います。それこそ、全く無理のない子どものありのままの姿なのですから。 でも、大人たちは、どこかで、子どもたちに「お菓子を、大抵、お友達に分けてあげた」という神様のよい子である姿を望んでいたのでしょう。 だれでも、きっと、自分が小さかった頃の次のような経験を思い出すことでしょう。家に遊びに来た何人かの友達と仲良く遊んでいる我が子にお菓子を与えるお母さんは、いつも「○○ちゃん、一人で食べちゃだめよ。みんなでね」と言っていましたよね。時には、「ひとりで全部食べたら、おなかを壊しますよ」とも言われたこともありました。お母さんのほんとうの気持ちはどのようなことだったのでしょうか? 今は、大きくなったみなさん、このお母さんのほんとうの想いをご一緒に復習してみませんか。私の大昔の記憶の中に、私の母のこんな言葉が残っています。 「新(しん)ちゃん、みんなでお菓子を食べるともっと美味しいですよ」というひと言。 私が子どもだった頃、戦後の時期、お菓子も充分になかった頃、子どもながらに恐らくたくさん食べたかった私は、この母のひと言に、どのように反応したのか明確に覚えていませんが、このひと言だけは、忘れられないのです。――きょう、世界こども助け合いの日に。 (『聖書と典礼』2021年1月31日より) 『聖書と典礼』年間第4主日 B年(2021年1月31日)表紙絵解説 |