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コラム

コラム一覧へ 平和と正義の世界を築きましょう

オリエンス宗教研究所所長 カブンディ・ムケンゲシャイ・オノレ(淳心会司祭)
 新年明けましておめでとうございます。絆と連帯のうちに、皆さまにとって愛と希望があふれる素敵な一年となりますよう心からお祈り申し上げます。
 いつも『聖書と典礼』をご愛読いただき、誠にありがとうございます。オリエンス宗教研究所スタッフ一同は、毎週の主日の典礼を通じて皆さまがより神さまに近づき、そのみ言葉を深く味わえるよう心を込めて努めてまいります。本年もオリエンス・セミナーやカトリック通信講座、月刊『福音宣教』、週刊『こじか』、書籍などに、変わらぬご支援とご愛読をよろしくお願い申し上げます。
 さて、教皇フランシスコが宣言し、二〇二四年に開かれた通常聖年は一月六日に締めくくられます。希望の巡礼者として、この聖年にたくさんの恵みを感じ取られたことと思います。全教会においてもこの聖年の間、ニケア公会議開催千七百周年や第二バチカン公会議閉幕六十周年の記念イベントが行われ、教皇フランシスコの帰天と新しい教皇レオ十四世の選出もありました。日本では戦後八十周年も記念されました。
 これらを経験した上での新年の始まりにあたり、世界の平和を切に祈ります。平和を達成することは私たちすべての希望であり抑えきれない熱望です。しかし、世界の状況は不安定で、さまざまな悪の、社会的、宗教的、政治的、経済的な現象に気付かずにはいられません。
 世界各地では絶えず紛争や戦争、テロ事件などが起きています。社会における経済的な不均衡、自己優先主義、消費主義、富裕国の貧困国に対する不当な扱い、貧しい人々からの搾取などは、人々の大規模な移動と前例のない人道危機を引き起こしています。昔は表面化されなかった多くの虐待問題が公にされ、自己の尊厳や生きる意欲を失った人の存在が明らかとなり、「高齢者虐待防止法」さえもが制定されるに至った現実があります。
 現代世界と現代人がどこかおかしくなってきていることは、誰の目にも明らかです。教皇フランシスコの言葉を借りるなら、「世界(現代人)は心を失った」(教皇フランシスコの回勅『ディレクシット・ノス――主はわたしたちを愛された』参照)ように見えます。そのような世界のただ中で苦しむ人々の姿を見るたびに、人々の間に深い失望が広がり、希望の巡礼者であるべき私たちでも、ややもすると絶望的な気持ちに陥りがちです。
 それでもキリスト者である私たちは、個人や共同体として、人々を悲惨な状況に陥れる原因を見つめ直し、より公正で平和な社会に向けて連帯を強めていきたいと思います。神の国の到来を待ち望む私たちは、現代社会に福音の種を絶えず育てる使命を持っています。混迷する世界に種を蒔くことは、年齢や社会的な立場にかかわらず、イエスさまから全信者に託されている務めです。
 ソーシャルメディアが広まり、社会がますます世俗的になっていく中で、私たちがキリストから学んだ大切な価値観を、日常生活の中で積極的に実践していくことがとても重要です。そうすることで少しずつ周りの環境も良くなり、神の国も確実に近づいていくでしょう。社会の世俗化が進む中で、日常の中で信仰を公に表現するのは簡単ではないかもしれません。それでもあらゆるかかわりの中で、福音の価値観を実践する努力が大切です。
 行動は、言葉以上に心に抱いている価値観をはっきりと示してくれます。「常に福音を宣べ伝え、必要に応じて言葉を使いなさい」(アッシジの聖フランシスコの勧告。教皇フランシスコによる二〇一三年の国際カテキスタ会議へのメッセージ参照)という言葉がありますが、それは、たとえ直接話す機会がなくても、自分の生き方や人々への接し方を通じて、常に福音を生きた証として示しましょうという意味です。親切で思いやりのある態度と喜びを持って接することで、きっと周りの人たちも気づいてくれることでしょう。
 信仰、行動、言葉による素晴らしい連携は、キリストが私たちに与えてくださった使命と深くつながっており、キリストの愛を他の人と分かち合う手助けとなります。一人ひとりが踏み出す一歩一歩がキリストの愛を体現し、若者たちをはじめ他の人たちを信仰へと導くことができるのです。共に平和と正義の世界を築き、交流の絆を深め、橋を架けて、私たちの間に存在する壁を取り壊し、手を取り合ってこの一年を過ごしましょう。

『聖書と典礼』神の母聖マリア(降誕の八日目) (2026年1月1日)表紙絵解説

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